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SHUKUU(シュクー)で考える 法人ギフト の新しいカタチ

 

株式会社tetoteのあたらしい法人ギフトサービス「SHUKUU(シュクー)」について代表取締役のミウラユウジに聞きました。なぜ今アナログギフトなのか?企業が表現したいコミュニケーションとは?



進化を止めフォーマット化された 法人ギフト

 

――「SHUKUU(シュクー)」を立ち上げた経緯をお聞かせください。

ミウラ:tetoteは企業ノベルティを作る会社として4年間事業を展開しました。私たちの強みはデザインを用いながら、センスのあるアイテムをキュレーションし、パッケージや発送まで請け負える会社であることです。ノベルティも問い合わせが多いのですが、ギフトボックスを制作することも多くなってきました。

 

あるクライアントからは「毎年同じようなギフトを贈っているけど、本当にこれで良いのかと疑問に思っている」と聞きました。また、「もっと自由にデザインをカスタマイズできれば、私たちの想いをしっかり伝えられるのに」という話をよく聞きます。そういったお客様とtetoteはよくお仕事をさせていただいています。

 

tetote代表 ミウラ

tetote代表 ミウラ

 

企業は伝えたいことをデザインしてコミュニケーションしたい!意欲があります。でもギフトを制作する側はそれをさせてくれないんですよね。例えば、お中元お歳暮とか年賀状とか。ある一定のイメージを想起しませんか?昭和から全くフォーマットは変わってないですよね。



――たしかに「お歳暮や年賀状はこういうものだ」と思考が止まっているかもしれません

 

そうそう。「のし」だけにロゴをテキストで入れたり、年賀状=ハガキで表現するというのは、ある種フォーマット化しているわけです。なので、制作サイドは迷わずに手間もかけずに作れる。基本的に「カスタマイズはできない方が効率がいい」のです。

 

 

企業サイドは全力でクリエイティブしたいケースもあります。せっかく大切な顧客へギフトを贈るなら、企業のブランドイメージを残したい。新サービスの告知やクロスセルやアップセルもしたい、そのためにアイテムもオリジナルにすることで印象をつけたい。また、年賀状だってコミュニケーションのチャンスなので活かしたい。...でも企業側にアイデアがあっても発注できる先がいないんです。企業が自社でつくるにはリソースの限界があります。

 

「お祝いや感謝」を表現するフォーマットが固定化されている現状があるなら、もっと可能性を広げられないかな?と、思考したのが、SHUKUU(シュクー)というサービスです。


 

企業ロゴさえあれば、アイテムやパッケージまでセンスよくデザインできる、ギフトまで梱包したらレターを発送まで一気通貫で提供できる。4年間のノベルティ事業の経験を持つtetoteのチームだからこそできるサービスだと自負しています。



――SHUKUU(シュクー)の新しい部分を教えてください

 

はい、簡単にご紹介させていただきます。



①ギフトボックス

シュクーのサービスで代表的な「ギフトボックス」。概要としてはこんな感じでお伝えしています。

 

 

  1. 企業のロゴから最適なデザインの組み合わせをご提案
  2. 伝統的な和柄に企業カラーを反映できる「のし」と「ボックス」
  3. オリジナルデザインで企業ブランドを体現するアイテム
  4. 企業からの想いを伝えるカスタムメッセージカード

 

縁起の良い伝統的な和柄や、季節のご挨拶などのコンセプトを選んでいただき、企業ロゴとかけ合わせていくと全体としてセンスよくまとめられるように運用できます。

 

 

ロゴカラーによって「のし」柄まで変化したり「ボックス」までも連動することができます。もちろんロゴを入れたりメッセージを入れられます。効率的ではないのですが、企業ごとに同じフォーマットになることがないため、オンリーワンのパッケージが制作できます。

 

 

あとは、中に入るアイテムまでカスタマイズできる、リーフレットにメッセージを入れられるというのも既存のお中元やお歳暮では表現できない部分なので、注目してもらいたいですね。贈られた側の印象は変わると考えています。



②プチギフトレター

年賀状や季節のお手紙など、そのままでは差別化が難しく印象に残りづらいコミュニケーションに、アイテムを加えた「プチギフトレター」もその一つです。

 

 

こちらは中に簡単なアイテム(コーヒー/お箸/だしドリップ/バスソルト)などを挟んで、顧客や社員の方のリストへ発送までできるサービスです。レターの中に企業として使える面があるので、そこにメッセージなどを入れられる工夫をしていきます。

 

 

アイテムが同梱されていることを伝える工夫をパッケージでしています。そうすることで、読まずに捨てられるという企業のお手紙の第一関門を突破するのも一つの狙いとなっています。



③おしゃれ表彰

「企業の表彰」も「感謝やお祝い」を伝えるコミニケーションツールですが、検索していただくとわかるように 昔ながらの企業の応接室や実家の居間にはぴったりな重厚感のあるデザインが多いです。今の時代にでもフィットする デザインやオリジナリティーを反映できるフォーマットを作っています。

 

 

こちらはまだ1つの形しかないのですが、もっとたくさんパターンを作る構想をしています。



――従来の企業の「お祝い」のフォーマットを変えるのは一つのテーマでしょうか?

そうですね、そのコンセプトで企業の「お祝い」や「感謝」を伝えるフォーマットを見直すとかなり進化が止まっているように感じました。シュクーはギフト制作サイドができなかった「カスタマイズ」「オリジナルデザイン」に特化したサービスであり、昭和の古き良きデザインやフォーマットを脱却する試みでもあります。ロゴさえあればセンスよく企業ブランディングを全体に反映できるのが魅力となります。



企業にとって、すこしでも「意味がある」ギフトを

 

企業サイドにはもう一つ課題があって、デジタル化が進む中で、費用対効果も可視化される時代になりました。「感謝やお祝いの気持ちを伝えたいんです!」だけでは「それって意味あるんだっけ?」と社内コンセンサスが取れないわけです。だから、ギフトを提供する側として、企業から「これって意味あるよね」と感じてもらわないといけない時代になっています。

 



――「SHUKUU(シュクー)」は企業側にとって意味がある存在になりますか?

ギフト施策やノベルティ施策など、全般に言える難しいテーマです。正直なところ、デジタルのように可視化できないので明確に意味があると言い切れません。

 

例えばシュクーで言うと、私たちは最終のアセンブリ作業まで管理していますから、ギフトボックスの中に、簡単なサービス紹介資料やクーポンなんかも同梱できると思います。プチギフトレターも同様で、開封率を高めるためにギフトを使っていたり、メッセージを込めることもできます。メディアとしてギフトを捉える視点をつくることができます。

 

 

企業ブランドの想いを真正面から届けられるタイミングって案外ないので、ギフトはその場に適していると思います。よくあるのが周年事業、新サービスリリース、リブランディングなどのタイミングでメッセージを伝えたりするケースです。一般的なDMやメルマガよりも、ギフトで体験として届ければ印象に残る瞬間をつくれるのではないかと思います。

 

贈られた側が贈り手への好意度が上がる、などの調査も調べればヒットします。文化人類学ではギフトを贈ることで個人間や社会構造において関係性を優位にできるというデータも出てきて話題になりました。ただ可視化しなくても感覚的に「ギフト」を贈ることの価値や意味を人類は知ってると思うんですよね。普遍的な行為であると。



――ギフト自体が「意味がある」存在、壮大な話ですね。

企業の担当者の人にこの話をすると「確かにそうですが...何か社内用のエビデンスが欲しくて…」と言う反応もあります(笑)ここ10年くらいでデジタル化が進み、企業の意思決定は全て意味や根拠が問われるようになりました。その流れの中でも比較的、ギフトには意思決定のおおらかさがあるな、と感じています。

 

贈答文化は「意味を感覚的にわかる」から贈る。論理的、科学的であるのが善とされる企業の意思決定における、エモーショナルな聖域という感覚があります。



――SHUKUU(シュクー)をリリースされた背景には、日本の贈答文化の変化も意識されたとお聞きしました。

矢野経済研究所さんが調査した最新の法人ギフト市場の動向でも、「効率的にギフトを選べる」カタログギフトやデジタルギフトのサービスは、成長していると言われています。

 

一方で、お中元やお歳暮といった企業間のフォーマルな贈答は「虚礼廃止」という言葉に象徴されるように近年見直されています。

 

 

前者のような効率的なサービスは、無駄がなく相手の望むものを贈ることができます。企業の論理に合致した素晴らしいサービスだと思います。一方で効率を追求すると、偶然性や意外性が存在しなくなります。

 

例え話ですが、「大切な恋人へのプレゼントにデジタルギフトやカタログギフトばっかり贈る人」がいたら...ちょっとどこかで「本気で私のこと考えてくれているの??」って思っちゃいませんか??

 

――なるほど。自分のことを知ってもらいたいな、考えてもらいたいなって思いました。

 

無駄なく効率的に相手が欲しいものが提案できているのに!なぜなんでしょうか?ちょっとエモーショナルな話になりますが、人間が好意を持つことは「効率のその先」に想いを馳せることができた時なのかもしれません。



アナログなギフトには、デジタルでは代替できない価値が存在します。お中元やお歳暮は形骸化している、とプレスリリースなどで書いていますが、今までの時代に意味があったからここまで同じ形で存在しているわけです。

 

この仕事をしていて「ギフトを渡す側」も嬉しいという顧客の声も聞きます。みんな「お祝いや感謝」をビジネスの繋がりのある人にしたいんですよね。普段忙しく改まったタイミングもつくりづらいですから、儀礼的な旧来のギフトの意義をまた感じます。



「ビジネスにもっとお祝いを」

 

ギフトの本質的な価値の話をしましたが、「なんとなくギフトを届けて満足!」という時代から、「企業側がギフトを贈る意味」を見出すことも必要で、この流れは不可逆です。

 

デジタルギフトやカタログギフトも企業にとって理にかなっています。アナログなギフトが残っていくためには、従来の法人ギフトの枠を超えたコミュニケーションができることが必要です。シュクーはこれから改善を加え進化できるようにしたいと思います。

 

 

「ビジネスに、もっとお祝いを。」このコンセプトは、ギフトを通じて世の中に少しでもお祝いや感謝の総量を増やそうという想いが込められています。

 

アナログなギフトの価値をデジタルの時代に残していく。企業の皆さんと、あたらしい贈りものをシュクーでつくっていけるのを楽しみにしています。